●;『嫌老社会』という本から(3)

●;「60歳以上をと言い始めたのは、いつの頃からだろう?」。著者の長沼行太郎氏によれば、近世以降で1960年の国勢調査まで続いたという。「65歳以上」を「老年」としたのは65年の国勢調査からで、高度成長期にさしかかった頃にはの量的進化と自然年齢が乖離…

●;『嫌老社会』という本から(2)

●;『嫌老社会』という本で長沼氏が言っていることは、 今、考えるべきことは「の思想と技術」…につきる。 ●;(私らの眼前に)横たわっているのは、「超高齢化社会)の出現である。2015年…4人に1人が65歳以上の人々が棲む社会であり「長くなった老後問題」…

●;t『嫌老社会』という本から(1)

●;撤去されてしまったが都庁前の通りのホームレス諸君たちの「ダンボールハウス群」も、最近、退去させられたと聞く穂高涸沢のテント村のように上野の山で越冬する登山者のように青い天幕で競い合っていた「シートハウス」も、常磐道を車で走るときに隅田川…

●;「ダンボールハウス」という本

●;知り合いの編集会社で人を待つ間、出されたお茶など飲みながらその会社の書棚の「本」を眺める。建築関係やデザイン雑誌のバックナンバーがきれいに揃えられている。「書棚」もまたよくされている。『ダンボールハウス』(ポプラ社・05刊)という本が目に…

●;二つのドキュメンタリー

●;週末、NHK-BSで二つのドキュメンタリーを立て続けに観た。(正確なタイトルは失念したが)「ロシア司法・警察の腐敗」と題したドイツのドキュメンタリー作品(2003年)で、もう一つは「よど号事件;ソウル金浦空港管制官との通信記録」をスクープしたNHK…

●;戦争論を読む(2)

●;書斎でもないがPCの置き場所を別の部屋に移動する。ついでに溜まっていた文庫本や新書などを含め若干片づけ始める。駄本というか、禄でもない本を買い集めたものだ。中には著者から贈られた本もあるが、少しの間は棚に置いておいていたが(失礼ながら)永…

●;戦争論を読む(1)

●;「国家は国民の同意を必要とする」といった(前提的な言説を)ある「ブログ」で見た。あたりまえじゃん…とコメントした。pikarrr氏の言う「ちょい参加」である。フーコーが言っている「生政治」の領域に入っているのは、常識じゃん、と。ポール・ヴィリリ…

●;新書ブームだって…

●;「朝日新書創刊!」といっても(出版)業界人の誰も読者も騒がない「新書ブーム」についての《まなざしの快楽》…Picarrr氏》の見解。「新書ブームなるもの」は以前にもあった。持ってはいないがみすず書房ですら「新書」を出した(確かではないが…「大衆…

気になる言説(6)

●;時務情勢論を吐く警世家の文章に惹かれることはない。通りすがりの人である。ぶつかったり反発したり、影響をうけたということはない。ただ、自分と同質な感じを感じさせる文章家には惹かれ「追っかけ」になる。中井久夫氏も言っているが「文体は文章の肉…

気になる言説(5)

中井久夫氏の『時のしずく』(みずず書房)にこんなフレーズがあった。阪神・淡路大震災時の「災害被害者が差別されるとき」という一節の中で。いろいろなことが起こされた。 一般に「ステロタイプ」がないところに差別、少なくとも差別的感情はないであろう…

●;気になる言説(4)

●;週末、ある会合にオブザーバー参加。その会社の仕事(の実態)に触れたい欲があって飛び入り。初めての人たちに会う緊張もあって、気分を整えるため会社がある街に早めに行く。騒々しい街の一角にその会社はあった。見知らぬ人と相まみえる時の緊張感をほ…

●;気になる言説(3)

●;解読する訳ではないが松本健一氏の本『思想としての右翼』(論創社・00刊)で教えられたところあり。蒙を拓かれたのである。ボンヤリと通俗的な理解で済ませていた事柄が「ああ、そうだったのか」と。このあたりは感謝したい。もったいぶった書き方だが、…

●;気になる言説(2)

●;松本健一氏の『思想としての右翼』(論創社・00刊)にこういう一節があった。 戦前の日本を支配していたのは右翼だ、という説がある。これは、おもうに、戦後民主主義のつくりあげた神話である。それが神話である所以は、戦後の日本を配していたのが左翼…

●;気になる言説(1)引用から

●;(安倍政権の所信表明直後)の「朝まで生テレビ」を見る。テレビ等でお馴染みの文化人(学者)や議員さんの発言レベルを推し量る。2チャンネル的な評価に倣えば、枝野幸男(民主党)議員、江田議員、村田教授(同志社大)…などは、ロジカルな人との印象…

●;松岡正剛「千夜千冊」が本に

●;仲俣暁生氏の「海難記」で松岡正剛氏のWEBサイト「千夜千冊」が書物(求龍堂刊)になっていることを知る。前夜たまたま、枕元にあった松岡氏の『知の編集工学』(朝日新聞社)を寝付くまで拾い読み、そのまま鞄の中へ放り込んでいたのも機縁。氏の「ブロ…

●;車谷長吉『忌中』…大衆社会の諸相

●;車谷長吉氏の短編集『忌中』(文藝春秋・03年刊)を読む。「群像」「文学界」などに掲載されたものを編んだもの。巻末の「忌中」を電車の中で読んでいて、回りの乗客たちのそれぞれの貌を見やる。車谷氏の小説やエッセイは、文学修行中の生活を綴った一連…

●;大衆社会って?

●;小泉首相は「ポピュリストさ」とはいとも簡単に言える。いつか野中広務氏が吐き捨てるように言っていたのを覚えている。氏がどんな意図で言ったのかは分からない。「小選挙区制制度」が政権党や野党の党首の人気が浮動票を牽引し「都市VS地方」の中選挙区…

●;ポピュリズム(5)

内田樹著『知に働けば蔵が立つ』(文藝春秋・05刊)は、氏の「ブログ」を基にしていて(いつか読んだものが含まれているが)通俗的に(=判ったつもりの)こチラ側は簡単に「大衆社会」と言うタームを使ってしまうけれど、通俗的な口舌の徒である私(ら)は…

●;ポピュリズム(4)

●;「感情的ポリティクス」というキーワードを発している宮台真司氏の「プログ」を引用すると、 …世界的に「感情の政治」が隆盛で、特に米国は「感情ゲーム=私」を超克する「契約ゲーム=公」が崩れてきた。第一に、感情に社会的正統性を与える宗教が、メデ…

●;ポピュリズム(3)

●;060901朝日新聞社会面に「加藤紘一邸放火犯が供述」という記事があった。「見出しの視線の科学」のせいか「閑職、死に場探して」という文字が目に入った。(正確な記憶ないが)リストラされたブリジストンだったかの社員が役員室に詰め寄り自殺を試みた事…

●;ポピュリズム(2)

●;山本七平『空気の研究』(文春文庫)を読んでいて、この本の「キーワード」になっている《臨在的把握》というのが(今ひとつ)判らないでいた。普段使わない言葉のせいもある。《臨在的〜》を「思いこみ」と解すれば〜という人がいた。助かる。他には今泉…

●;ポピュリズム(1)

●;田原総一郎が吠えたことに因果関係があるのかわからないが、06/08/28の朝日新聞「コラム」で論説主幹・若宮啓文氏が「足元の右翼テロと闘わなくてよいのだろうか」と小泉首相や安倍長官らの加藤紘一邸事件への「沈黙ぶり」を批判していた。「よもや、この…

本に近づく(読む)理由(2)

●;寝入いってしまい、つけっぱなしのテレビ「朝まで生テレビ」(テレビ朝日)が光っていた。「あぁ、あの人ねぇ」と、お馴染みの論客?たち。田中均氏…元外務省審議官の話は聞きそびれた。司会の田原総一郎氏が「加藤紘一邸放火事件後、朝日新聞をはじめ各…

●;本を買う(読む)理由(1)

●;書店などで「本」を買い求める理由の一つに「自分と(何かで)を発見した時がある。車谷長吉のエッセイ集『文士の魂』(新潮社・01年)をつまみ読みしていたら、嘉村礒多を読みはじめた動機が氏の本名が「嘉彦」だそうで「嘉(彦)」という「同名の一字」…

●;「メディアカバー」というコトバ

●;「立花隆のブログ」を読んでいたら、 靖国参拝のように、100%のメディアカバーがある中で行われる言行は、いかなる意味でも「心の問題」の論理で済ますことができない言行となる。それは必然的に国家を代表する公人の言行として、その行為それ自体が発す…

●;墓参りで「人」に会う

●;小泉首相が靖国参拝するかどうかとかまびすしい盆の入り、高速道路を駆け抜け墓参りを済ませる。父母が育ったの農村家庭(家族)のそれぞれの。《儲からない米作》、《高齢化社会》、《気になる》、従兄弟たちの息子、娘たちは「正規社員就職組もあれば、…

●;「人」と会う(1)

●;先週〜今週、いろんな人と会う。いずれも「企画(めいた話)」。こっちが考えたものを揉んでもらったケース。ま、コンセプト樹立以前のブレスト。相手が長年温めていた「企画の実現可能性の相談」も。「やれるかな」と瞬間に思った程度の話も(知り合いの…

●;「本のような人」に

●;先週末、後輩と一緒に某社の編集長氏と会う。「居場所」について喋る。こっちは一生懸命に話すのだが、氏のノリが悪い。小出版社の経済的(流通的)構造問題を(改めて)知らされる。「(売れる)商品企画!」で済む話ではない。新流通形態をヒョイと考え…

近づく本、遠ざかる本(2)

●;暑い土日、クーラーの効かない部屋にいると、身体が要求しているのでもないのに水分ばかり取ってしまう。身体の中心から力が抜けて行く感じ。「緑陰読書」と決め込む訳ではないが丈の高い欅の樹々が陽を遮ってくれる公園のベンチで本をひろげる。車谷長吉…

●;吉村昭さん逝く

●;吉村昭氏が亡くなったことを新聞で知った。突然の死ではなく、たぶん、その病の重さを知っていた文化部の記者たちは当然のように予定稿のような記事を掲載していた。「歴史学よりも詳しい著述家」などと語る歴史学者も、まぁ予想どおりである。いわゆる文…