●;吉村昭さん逝く

●;吉村昭氏が亡くなったことを新聞で知った。突然の死ではなく、たぶん、その病の重さを知っていた文化部の記者たちは当然のように予定稿のような記事を掲載していた。「歴史学よりも詳しい著述家」などと語る歴史学者も、まぁ予想どおりである。いわゆる文壇作家ではなかったから朝日や毎日新聞の扱いも普通であった。ただ、葬儀の問い合わせ先が新潮社と記されていたのは(在世中から遺族との関係もあるのだろうけど)やや意外。『この国のかたち』などを著していて国士風であった司馬遼太郎氏が亡くなった時の朝日、産経新聞などの「国民作家」扱いは、気持ちが悪かった。が、出版社が葬儀を仕切る?というのは、いい。