●;人間ドックに

●;毎年、キチッと行くべきなのだろうが、忙しさを理由にサボっていたのだが、ようやく重い腰を上げて(半日コース)の「人間ドック」に行くことにした。前夜は、飯抜き、水分抜きが決まり。夕方まである打ち合わせがあり(もっとも私の役割は大したことはない)、普段なら終わった後に「軽く一杯でも」と進むところなのだが「明日はドック行きなんで」と断る。「どこか悪いんですか?」と訝られる。ま、永年、不規則な生活を続けているが、若い時の体力的なスポーツの経験を自慢して「オレは(いつも)健康だ!」みたいな自信過剰性分。しかし、どこかは必ず痛んでいるはず…というのが「ドック行き」の理由。9時以降は、一切口に入れてはいけないらしいので、人と別れて、一二度行ったことがある程度の「天ぷら屋」に入る。急に天丼を食いたくなった。注文すると「天丼はランチだけです」とあっさり断られる。夜は酒飲みの店なのだ。しかたなしに少し高い「天重」を頼む。天つゆのかかった米の飯を食べたかったのだ。腰回りの大きい中国人と思われる年嵩のお姐さんから「飲み物は?」と二度ほど催促される。「いゃぁ、飯だけ食べたいんで〜、お茶だけでいい」と断る。売上促進係のような役割を担わされているのだろうか。お茶のお代わりを頼むと「飲み物注文してよ」みたいなそれでいて少しぱかり媚びるような目つきを加えての仕草。「風俗店じゃねぇだろう」と言いたくなる。店のなかでの彼女のポジションがそうさせるのだろう。そそくさと飯をかっこんで店を出る。感慨なし。
●;先週だったか、時々行く中華料理店の店長ママから「今週いっぱいでこの店辞めます」と挨拶された。単なるお客にすぎないのに律儀なこった。「どこかへ移るの?」と聞いた。マネージャーとして引き抜かれたのか、店を持つのかのどちらかだと思ったからだ。「子育てに集中します」との答え。確か、一年ほど前に女のお子さんが生まれたんですよ、と店のウェイトレス嬢から教えられた。3月生まれだと思う(旦那さんのことは知らない)。母子に幸いあれ!
どこ出身?といつか聞いたことがあるが「香港です」と言った時にちょっと疑った。彼女の導きなのだろうか、吉林省出身の若い女性たちがウェイトレスを占めていたからだ。店長ママの日本語は片言だったが、所作振る舞いに品の良さが漂っていた。楚々とした奥ゆかしさが保たれており、凜ともしていた。店のファンになった友人たちもそれを認めていた。彼女の引きで入るのか数人の吉林省出身の若い中国人ウェイトレスは、店長たる彼女のマネジメントが(教育が)しっかりしているのか、最初の頃は注文しても日本語もおぼつかない感じの幼さが、いつのまにか毅然とした態度を取る大人の女性っぽくなって行くのが、なかなかに気持ちがよかった。