●;不快なもの(2)

●;<不快なもの>…「北朝鮮暗黒物語」(ニュースショーなどで見せられるこれでもかこれでもかのパターン認識映像)。「ひでぇ国だな」とだけは伝わってくるけれど、ただ、俗情と結託しているのみ…不快。危険をかいくぐって得られたフリージャーナリストによるむごたらしい映像を安く(たぶん)買い叩き、「乳呑み児〜・幼児〜、少年・少女、売春婦などなどの悲惨なショット」を選んで局の名前で編集し直して、放映するたぐい。「他国民の不幸」を見せつける番組のキャスター&コメンテーターで感心した者はいない。「おい、おい」。隣家の不幸をのぞき込んで「我が家の平穏、しあわせぶり」を何食わぬ顔して優越感に浸りこみたいのかよ、その恥ずかしい品性。誰かのエッセイで読んだが「ビルの屋上から飛び込み自殺を図る人」に向かって「早く、やってしまぇ!」と呟く野次馬。どこか非日常的な惨劇を期待している人々の俗情。北朝鮮の脅威とやらをテコに(大義名分化して)核武装してもいいのではないかなどと窺う高官連中と、番組はパラレルである。報道(局)の名前は被されていても、そこにジャーナリストたる者はいない。今夕もTBS「報道特集」で「日本人妻」の小特集をやっていたが、ソ連社会主義国家官僚が「遅れた国家・北」に押しつけた「計画経済(思想)」のところまで現代史取材をしなくては。可哀想な話どころではない。極東の貧しい国の「労働力確保」まで指導したスターリン主義官僚の施策の結果、金日成パルチザン国家をして朝鮮戦争に参入〜というシナリオを遂行した。金正日を嘲笑したつもりでもなんぼのものではない。問われているのは「現代史取材」である。