●;宮内勝典『焼身』〜(3)

●;宮内氏の『焼身』から拡がる「(本の)世界」。ろくに読まずにいた(知らないまま過ごしていた)世界、忘れかけていたことなどへ気持ち動く。スーザン・ソンダグ『写真論』に何が書いてあったか再読したくなる。1973年の「ベトナム戦争」でのアメリカと北ベトナム「和平」以降、蛇が大地を這うようにカンボジアの闇を塗っていった「クメール・ルージュポル・ポト派について知りたくなる。<怖いもの>みたさ。「カンボジア革命」については、映画「キリングフィールド」を見て「ひでぇや」と表層的な理解のままでいた。「東アジアの辺境の国」の出来事と軽視していたのだろう。
山田寛『ポル・ポト<革命>史』(講談社選書メチェ)と井上恭介・藤下超『なぜ同胞を殺したのか』(NHK出版)を図書館から借りてくる。前者は元読売記者、後者はNHKのディレクターと報道記者によるもの。2冊をざっと読んだが、印象に残ったこと。ポル・ポトが病死?したのがつい最近(98年)と知った。本の中で使われていた病死の遺体写真のキャプションに髪を黒く染めていたとの記述あり。スターリンの死に化粧?、レーニン廟のレーニンもまた。