●;「ブックオフ本」もいい(1)

●;一時期、「ブックオフ」は業界人の評判が悪かった。店員さんの異口同音の甲高い「いらっしゃいませ!」のかけ声はヤな感じだとか、本は目方で買っているとかの声がかまびすしく囁かれ「大量生産-大量配給の出版システム」(80年代〜90年代の過剰生産業界)の間隙を縫って現れたこれら新古書店をこれまでの業界システムの崩壊の予兆を感じ取った出版業界人たち。小田光雄『書店と出版社はいかにして消えていくか』(ぱる出版)といった本も(業界では)が話題になった。
ブックオフ」の登場は、これまでなんとか成立していた出版業界の構造変換を言い当てていたのである。なーに、プロっぽい業界人が危機を感じ取ったとしても「ブックオフ」は、今や、変哲もない街の一風景となっている。
●;私は、結構利用している。いつも読むモノを抱えていないと治まらない性分だし(「百円本発掘の人」でもなんでもないけれど、自宅高くの「ブックオフ」に立ち寄る。量産されているいろんなジャンルの本に目移りするのではないけど、つい百円を払ってしまう。
●;「ビジネス書」の旧い本(というかブックオフに売られた本)に目が寄る。出た当時は甚だ扇情的なタイトルで店に並んだビジネス書も可哀相にトレンドからズレているのもある。出た当時は、新刊本屋でつい買わされそうになった本も色褪せて「105円」の定価をつけられているのを見ると別に著者が好きでもなんでもなく、一回りほど遅れている時勢への関心とシンクロするタイトルだったりすると、つい買ってしまう。