場所(2)…ある大学構内

●;土曜日、郊外の技術系単科大学を訪れる。一度か二度、別用で下りた駅だが、駅前の商店街には学生の匂いが色濃くない。古本屋、雀荘やタバコの煙漂う薄暗い喫茶店なんかが「匂い」というのも旧いけど、全てがキレイになっていることに気づかされる。改めて街がクリーンに変貌したことを知らされる。構内には居丈高の吠えるような踊る文字のタテ看のひとかけらもない。味も素っ気もない整序された校舎で「産学協働の徒たち」はおとなしく勉学にいそしんでいるのだろう。「汚れ」や「猥雑なもの」、「不健康扱いされるもの」は、誰からも嫌われ排除されている。
昼飯はマックでコーラとフワフワの100円バーガー二つを求めて、陽射しのあるベンチで頬張る。タバコを一本。構内は指定場所以外、タバコ厳禁、少数派のための場所がひっそりと指定されている。階段下のゴミが溜まるような日陰の場所とかである。