通俗用語辞典(3)…絶対

●;「絶対」…「絶対に○○だ!」と言いはやす男が周囲にいる。彼はいつもエラソーである。張り子の虎である。計算して言っているのならば、まだ「いい」のだが、彼の「弱さ」「根拠のなさ」の露呈を怖れて断定口調で強がりをしてしまう。「可哀相なヤツ」と思う時もないではないが、会議の席上などで「絶対に△△だ」とか「絶対に××だとか」言い出すと「ムッ」とする。座の沈黙を強要して来ることに、つい対抗的になってしまう。背後霊のように存在する彼のミエミエの自己顕示欲につき合わされるのは、たまらなくなる。瞬間的に怒鳴ったりもする。「そうじゃねぇだろう」と。
「その根拠は?」と丁寧に尋ねればいいのかも知れないが、その物言いに秘められている「権力的な匂い」の方に敏感に反応してしまう。こういう男は「弱いヤツ」を見つけるのが早い。しかも、弱いヤツを欠席裁判なんかしたりする。面と向かって攻撃出来ないくせにだ。こんなさもしい「権力的なヤツ」ほど彼よりもエラい権力(者)には猫なで声で近寄っていく。「損か得か」の功利を第一義にしてエラい人に接近する。その速度だけはなかなかのものだが、接近しても角度が悪いから、いくら土下座も平身低頭しても相手に嫌われて「ポイ」である。こういった鉄面皮の持ち主の前置詞が「絶対」である。