●;権力的なもの…(2) 総統閣下の親衛隊

●;新聞〜テレビの世論調査によると自民党圧勝の空気だそうだ。小選挙区制度なるものを詳しく知らなかったのだが、刺客とか「九のいち」とかの落下傘候補たちは各都道府県に比例重複候補として配置される。選ばれた人間に対する優遇措置である。一定の法定得票数が確保されれば名簿順位通りに代議士となる仕組み。かくて、コイズミが選抜した議員が相当に誕生しそうである。オー、イヤだ。総統周辺の政治権力の方針に「否」とは言えない不自由さを鵜呑みにして従順な忠実さを第一義的な規範とする人々が大量登場というわけだ。<わかりやすい映像と単純なコトバ>をヨイショする新聞〜テレビは「コイズミの自民党体質壊し」を褒めそびやす。イヤというほど繰り返し見続けされ、「白か黒か」のパターン認識されている。
集票マシーンだった全国区タレント議員の時代と違って、小選挙区制による「党中央権力=総統の集権化」は強まっている。コイズミ・チュルドレンと呼ばれるであろう「選良」たちは、特権(実は弱み)を背負って国会に現れる。彼ら「親衛隊」議員が派手な原色のジャケットを纏って国会(の一部)が占拠される風景。異様である。彼らは<コイズミ的なるもの>に依って行動する。彼らは<選挙民>のために動くのではなく、まして<国民>という主権者に奉仕する訳ではない。コイズミ的(中央)統治権力の強化に益し、コイズミ的権力意志の傭兵となり、<コイズミの児>として思わぬ快感に浸る。
●;<総統権力>の後ろ盾を得た「ヒトラー親衛隊」まがいに、あれよあれよと目を背けるような異様な暴力の出現者となる。‘合理的’な異端者狩りが始まる。例えば国民新党(綿貫・亀井ら)、新党日本田中康夫小林興起ら)の‘マイナーさ’を嘲笑するメディアの論調(その影響を受ける私も、だ)が続く。よからぬ不快な者を排斥していく運動だ。働かぬニート、不届きな小さな犯罪者、不快な汚いホームレス、寝たきり老人らをしれっと追放・隔離の対象とする。これらは異物を嫌う<都市住民の心性>と重なっている。キッカケは(不吉な想像だが)たぶん<死>である。コイズミ人気の基は「孤立したコイズミさん」を大衆が支える構図、それが大衆的な熱狂となってしまう。靖国参拝が「英霊」のとりこみであったように、権力は「次の死者」を待っている。サマワ自衛隊員が死んだりすると〜。