●;権力的なもの…(1) レトリック

●;「TBSのNEWS21」(筑紫哲也キャスター)で「コイズミ的なるもの」というシリーズを放送している。このタイトルはいいと思う。他局が自民が勝つか民主が勝つかの政局報道か、刺客だの「九の一」だの話題になる人物の<表情>を撮ることのみに終始したりのレベルよりはジャーナリスティックな姿勢を感じ取る。この場合の「ジャーナリスティック」というのは批評的という意味である(実際の番組がそうなっているかは判らない)。タイトルに込めようとしているのは、自民党政治体質を壊そうとしている「孤然としたコイズミ像」を讃える他局(けっこう、ヨイショ・コメンテーターたちが支えている)に対する対抗であろうか。テレビ局の内部事情は知らないし、どうでもいい。
●;《誰かへの権力を行使したい者にとって「シンボル操作による了解操縦」が重要です。この了解操縦を「広義の権力」と呼びます。権力闘争とは了解操縦の鬩ぎ合いです》とは宮台真司のコトバだが、「改革か非改革か」という名付け、「小さい政府か大きい政府」とかのレトリックの行使、つまり<単純化>は、権力闘争の常套手段である。