●;宮武謹一さん逝く(6)

●;宮武さんの時代を追跡する意味で<大正〜昭和初期の気分>を再構成してみたい。手元にある本を再読することにした(鶴俊本が多いなぁ)。
思想の科学研究会編『共同研究 転向』(平凡社
鶴見俊輔『戦時期日本の精神史』(岩波書店
久野収鶴見俊輔現代日本の思想』(岩波新書
ただ、この手のほとんどの本が屋根裏部屋に置いてあるが、そこは熱射そのもので梯子段を伝って上がることは出来るが息も絶え絶え、呼吸困難に陥るほどの熱さ。
●;週末、涼しい図書館で松本清張『昭和史発掘』(文藝春秋・15巻)の三巻を借りてきた。一一日一冊の予定で読む。1巻目に「陸軍機密費問題」があった。腐りはじめた軍部の話だ。次章は、軍の腐敗を追及した石田検事の突然の死。戦後の下山事件を髣髴させる「石田検事の怪死」。続いて「朴烈大逆事件」。金子文子の『何が彼女をこうさせたか』は、痛ましく哀しい大正の女の手記だった。
●;清張シリーズは昭和40年(1965)が初版とある。清張番編集者であった藤井康栄『松本清張の残像』(文春新書)に『現代史資料』(みすず書房)編集者・高橋正衛氏との資料探しの現場で鉢合わせした時エピソードが記されていた。『現代史資料』をつぶさに読んだわけでもないくせに、清張氏が現代史をやるのが当時わからなかった。ミステリー作家が「現代史探検」することをいささか軽く見ていた。ホントにバカだったなぁ。