尼崎の電車事故報道(3)

●;福知山線の電車事故報道は、JR西日本に対して一斉の十字砲火が続いている。いつか見た風景である。下痢のせいで体調悪く、終日、テレビばっか観ていたせいもあるのだが、どこの局もどのコメンテーターも同じことを言っている。つまり「倫理の優越と論理の不毛」(中岡哲郎)の劇を見せつけられている。そしてもっとも判りやすい<悪い奴>をあぶり出す象徴化作用が続いている。その作用を動かしているのは<むごたらしい大量死>という現実であるが、一瞬にして家族をもぎ取られた遺族の感情にもっとも尻軽に乗っているのがテレビ・メディア(ま、そんなものだ)だ。「次」は週刊誌。JR西日本のありとあらゆるスキャンダル探しが始まる。そして、人身御供のようにJR西日本の中間管理職の誰かが自殺を遂げるんじゃないかと<イヤな感じ>がする。(トリ・インフェルエンザ事件の時、農場の社長は自殺してしまったが)生贄を祭って加熱報道は終わりを遂げる。叩かれている彼ら、とりわけ中間管理職諸氏に「死ぬんじゃねぇぞ」と言いたい。