●;他者を受け入れない男たち

●;仲間内のプレゼンを受けるある会合。‘仲間内だよ’と何度もアナウンスしているのに(つまり<彼>という存在を迎え入れるのが第一だよと)年若い<プレゼンター>につまらぬ対抗心を燃やすバカがいた。一言で言えば<他者性>を欠いているというしかない。遅れた連中である。旧い観念にしがみつき新しい事象には遠ざかり(床屋談義だけはしたがり)たかだかの経験則から来る‘直感’とやらで「あんたの商品は売れないな」とかエラソーに物申す。彼の説明が「(自分には)判らない」ことを隠蔽しておいて「ちょっとわからないのだが」といった質問することもなく否定的に語る。否定する彼の快感?は奇妙な優越感である。<彼>ばかりではなく他の回りの人々に対して優越したいらしい。こういったいつも赤エンピツ握りしめた減点主義人種を「否定系」と呼ぶことにした。
●;「否定系」と「批評系」とは似ているようで根本的に違う。後者は相手の意見や考えを繰り込んで物申す。一身をさらすことなくして、新しい視点やヒントを提出することなく批評は出来ない。理解することなくしてうかつなことは言えないのだ。「否定系」は自分に<他者=異質なもの>が侵入してくることを拒む。だから疑いもなく、平気で否定系ならではの口を出す。せいぜいがチョッカイである。彼の基準、彼自身が変わらないし、変わることを怖がっている。自分が一つとして傷つかない地点からの発言だけ。極めて楽な場所からの発言になる。こういった「否定系」はその<彼>を自分の「下」に置こうとする。それが叶わないとなると敵視する。