●;雨の日の営業

●;花冷えの季節なのか、マフラーが要るような風が冷たい日だ。せっかくの桜も凍え散るであろう。知らない街のある会社に訪問。少しばり彷徨う。先週、その会社の幹部二氏の訪問を受けてある程度の話が出来たのだが、ベテランの顧問氏にばかり気を取られ、もう一人の顔を忘れてしまった。強い印象を残さなかった方といえなくもないが、大した力量がある訳ではないけれど、どこか押しつけがましい<私>に怖じ気ついたか(そんな訳ねぇだろうが)、彼がその会社の仕事に今ひとつ自信がないかのどちらかである。(たぶん、後者であろう)
●;きれいな応接室で話をする。社長の好みか大きな帆船が飾られている。車のミニチュアもあった。なにか模型が好きな人らしい。忘れかけていた<彼>を真っ正面に視る。同席した専務氏の方が偉いことはわかったが、話は弾む。なかなか快い1時間強であった。外へ出たら強い雨が降っていた。さぞかし桜はしこたま叩かれ、痛めつけられるだろう。地下鉄駅まで傘をさして水溜まりをさけつつ歩く。ちょっと休憩したくなり「ヴェローチ」を見つけて入るが、えらく店が混んでいる。雨の日の営業マンが休憩中なのだろうか。店内を見渡すと、白髪交じりの年配者が独りでタバコをくゆらしている姿も見受けられた。なぜか、落ち着かないなぁ。滞在10分。