●;「わいがや」という集まり

●;所属している団体で「わいがや」という集まりを一年以上続けている。月一回、会費は300円の缶ビール付きで誰でも参加自由、誹謗中傷でなければ何を発言してもいいい。その日の参加メンバーの自己紹介やプレゼンから生まれたテーマを巡ってだらしなくも議論するなどがルールといえばルール。今風には「OFF会」と呼ぶのかもしれないが、異業種交流会とやらのさもしい会合には絶対したくなかった。ダサイからである。処士横議(藤田省三『の精神』(みすず書房))という言葉が好きで処士たちの《場》を作りたかっただけてある。何かが発露される契機、バネを作る。《磁場》といってもいい。よくは知らないが本田宗一郎が作ったといわれる「わいがや」という名前を被せた。その場で<私>が獲得したいのは創発性。他者性の獲得といってもいい。彼らの言葉をどれだけ身体に仕舞い籠めるかだ。
●;熱心なリピーターが何人かいる。自分が所属していた会社出身の男もその中に入るが、「わいがや」で初めて出会って以来、いい味しているなという人が二人ほどいる。全共闘世代(団塊世代とは言わない)のマツシマ部長と某出版社のクラウチ君である。マツシマ部長がある大学で旗を振っていたことをある新聞の「全共闘追跡記事」で知ったが、そんなことはおくびにも出さないところがいい。つまり、武勇談を語らない含羞の人である点だ。クラウチ君は「左翼コンプレックス」の持ち主である。世代も違うからなんともいえないが、二流の左翼に辟易した体験が「左翼嫌い」にさせているところがダメである。ま、悪口的なことをいえば「噂の真相」(今はない雑誌)あたりを立ち読みしていたメディア業界人的なところがある。真相に迫らないで表層の情報通に終わってしまうぜ。ただ、クラウチ君はネットワーク的横断的な人でつきあいのあるメディア系の人たちだけで「わいがや的な集まり」をやりたい〜言ってきたので「わいがや②」と称するバージョンも彼の主導で作りだした。エライ!
●;今日は20年ほど前に知ったモリ青年が45歳になって初登場。童顔は昔と変わらない。産業映像会社のプロデュサー氏も初登場。30代後半、同じく童顔の人。表情に繊細さを保有しているが意外と批判精神がある人だ。ちょっと気に入っているアメリカ帰りのビジネスマン氏が三度目の参加。この人はちょっと気になる(好ましい)シャープさがある。物言いに断定力がある。言い方にはなにものにもひるがない強靱さがある。ダメ男もいる。「インフォメーションに過ぎない情報を持っていることを自慢する男」「オレは君たちより知識を持っているよ」とひらけかす自意識男も「×」である。