●寒い日、年賀状始記(2)

●;午前、金融大手子会社に新年のご挨拶。社長室で30分ほど駄弁る。出された日本茶の色と味がいい。さすがだなとつまらぬことに感心。「ブランド」について社長が語る。「金融再編過程にある。その中での生き残りが必死の課題。M&Aされるにしてもするにしてもどれだけ相手に優位に立てるかの競争でしかない」と。記号的な理解でしかなかった「再編過程」ということばに肉感。
午後、ビル風冷たい高層ビルの会社へ同様の型通りのご挨拶。高けぇ家賃だろうな。このビルに引っ越すまでのこの会社にお邪魔した時にけっこう高い昼飯をご馳走になったが、その時は町中の粋な料理屋だった。ここらあたりにそんなところはない。オシャレといえばオシャレな店ばかり。ここの住民皆がお互いに<視られている関係>の中に棲んでいる。遅い昼飯、駅前の讃岐カレーうどん二玉、394円。少し、からだ暖まる。
●;夕方会議。メンバーに気合いが入っている気配を感じる。「営業とは情報力の勝負、組織が情報のかたまりとして出現し続けることしかない」、「メンバー各位の総合的な情報力が営業を押し出す」、「前線にいる兵をつき動かすのは、営業テクニックとか、ツールの巧拙などの戦法論議は各論、セールストークも営業マンの振る舞いもバックにある組織力が語らせている」、「そのためには商品の窓から見た情報のセンター化とオープン化が絶対に必要」などと力説(悪乗りしてノーガキ垂れる)。言いたかったことは日常の場から非日常的なジャンプ力をつけることだ。会議の後、先輩二人と焼酎のお湯割り(そんなに飲めない)。
●;家に帰ると遅い年賀状が10通ほど。<マメですね>と、元の職場の女性から。(バカめ。<お前さんたち>に影響を受けたからだよ。性癖のように言うな)。<元気の秘密はなんですか>同年輩・同業の男から。(バカ野郎、元気とは<関係の問題>だよ)。<パワーを下さい。歳が重くなって> はるか年下の女性から。(すがるな。頼るな。細木数子のように世の男たちを手玉に取れ)<存在感のあるタカオカさんが最近来ないので〜> 年下の遊び仲間から。(ヨイショはどうでもいい、その遊びが面白くなくなったのを人のせいにするな)<今年も悪足掻きを続けます。鬼が出たても蛇が出ても怖くはありませんよ>(秀逸)<世の中のことがだんだん自分から遠ざかる感じがあるけれど、それもまたよしと思わざるをえないでしょうね、でも手は届かなくても、見ることも考えることはできますよね> (そう、どこにも届かなくてもだ。一等賞の決意表明)