● 新聞記事から考える

朝日新聞の11月12日に「朝日とフォーチュン誌」の合同フォーラム記事が載っていた。エズラ・ボーゲル氏の基調講演の他に企業経営者三人の座談会が掲載されていた。「日本再生」がテーマである。企業役員三氏の発言をメモしたくなった。今、ブランドについて考えているところだからだ。
斎藤忠勝氏(資生堂役員)のことば。
「ブランドは非常に大きな情報のかたまりだと思っています」
「企業のブランドには必ずカントリーがオーバーラップする」
植村裕之氏(三井住友海上社長)
「ブランドに対し企業は[守る/広める/高める]という三つの使命を持っている」
小林栄三氏(伊藤忠社長)
「社内では[チャレンジ/クリエイト/コミット]をキーワードにしている」
●この三氏の発言、とりわけ「情報のかたまり」説にいろんな点で納得するところがある。
ある会議で「営業的な組織」にしようぜ、そのためには「組織に情報力」にと言ったのだが、反応は今ひとつ。何言っているんだかという顔が並ぶ(旧い!)「営業とソフト」の二元論的思考の持ち主たち。過去の職場でもこういう手合いが多かった。マーケット・リサーチで編集は出来ないといった人とか、物書きの世界にベタに密着しているだけに過ぎないのに<エラい>と思っていた大半の連中。その時は言い返せなったけど、今ならはっきりと言える。
「マーケッティングをしない商品は成功しない」(マーケッティングとは差異化のための仮説である)
「マーケッティングとマーケット・リサーチを混同するな」(市場の現在規模を推し量ることなくして資本の投入はナンセンス。資本とはカネだけではない、投下する労働力も含めてだ)
「営業とは顧客への<関係力>そのもの」、「その<関係力>の源泉は商品が生み出す情報力」