●草野球から球団経営者を見ると

●わが草野球チームの前監督が近鉄選手会長・磯部選手のテレビや新聞の言動を見て「プント的な男だな」と言った。なんとなくわかる。たぶん、合併に対してもっとも戦闘的な選手会長だった彼の<像>を語っている。「オリックス近鉄」を蹴って(吉岡選手もそうだが)、行く末がどうなるかわからない「楽天」に転じた磯部はかっこいい。
それに比べれば西武の堤義明オーナーは、みっともない。晩節を汚して満天下にその無様さを知らしめた。「あくどい会社だぜ」という話はちらほらと断片的に聞いてはいたが、内実は知らない。たぶん「2チャンネル」あたりでは、けたたましく、ここぞとばかりに騒ぎ立てているだろう。西武沿線に住む野球好きの女性が、日本シリーズでの「西武球場」のファンたちの静けさ(私設応援団は別にして)を異様だと語っていたが、球団の売却報道で知った住民たちの「しらけぶり」も想像の域を出ないが、わかるような気がする。沿線の地価を上げるために球団を持ち、わざわざ(戦略的にと言うのだろうけど)所沢に球場を作って球団経営に走って、もう用済みとばかりに「資産」を有効活用出来なかったセンスの悪さの断末魔。頭の悪い資本家の末路は哀れとしかいいようがない。
知り合ったばかりの経営コンサルタントが言う。
「自己破産の準備を何年も前から懐にカネを溜め込んでいて、会社整理してしまう。メインの金融機関だけにはカネを返す算段たでけはして、一般債権者には一銭も払わずにドロンする社長がいる」と。ま、そんな連中と同じだな。
●「わが会社は私物」という思想の持ちが主たちを週刊誌が叩いているが、読む気がしない。「ええっ」としらけてしまった普通のおじちゃん、おばちゃんの声に耳を傾けることの方が遙かにジャーナリズム。情報化社会の一つに、情報をまき散らされた側(消費者)の鋭い選択眼がある。自分の「物語」にしか興味がなかった男の(なまじカネという権力のもちぬしではあるが)チームに決別する<第二の磯部>はいるか。