● 忙しい 貧乏暇なしだなぁ

● 「稼ぎに追われてドッピンシャ」。雨の唄の一節に「ドッピンシャ」というのがあったような気がする。秋雨が地面を叩いている。音が聞こえる。
やけに忙しい。簡単で楽な仕事なんてないよ、な。「仕事は作らなくっちゃ」と口癖に唱えるけど、大した才能もないし、すがるような権力も身近にいない。もったい付けるプライドがあるわけてはない。ただ、媚びるのが嫌いと来ている。よせばいいのよ、この性分。よけいに「仕事を作ろう」とする。そんなにうまくはいかない。わかっていないくせに他人の話の中へ飛び込む癖が直っていない。やがて土壷に嵌る。じぶんの不明、身の程がわかったりしてぞっとするのだが。

昼間、学生時代の友人から再来週までにレジュメを作ってくれと頼まれる。「いいよ」と安請け合い。
これはいい。ちょっと欲がからんでいる。夕方にお会いしたNPO法人の理事長さんにもリップサービスしてしまう。あるアイデアを口走る。「ぜひとも、来週、再度お会いしたい」と言われる。(ウーン。よせばよかった)。
 前の職場の女性からメール。ちょっとシニカルな文体の持ち主。顔立ちは伸びやかな人なのだが、それとは裏腹に一種の<嫌味のようなもの>がわずかなメール文に露出している。すっきりとした自己肯定感がない。自己卑下したような書き出しから始まる。なんでだろうと思う時もある。無類のガンバリ屋さんで、いつも身体の容量以上の無理をしているように見える(といっても随分と会っていないが)。<素直になれない自分>に気づいてるのではないか。そんな自分を守ろうとする。防御ネットを張る。嫌味な文体もその一つ。他者を拒んでいる。<侵入する他者>としか見ていないのではないか。
メールからは、彼女が勤める職場の<荒れ>のようなもの、そのニュアンスが伝わって来る。気楽に返事をしてもいいのだが、したくなくなる。「そこまで妙なへりくだりは、止せよ。もっとフランクに。明るく楽しく!」と責めたくなる。(忙しいとこちらの感情もささくれ立つ)