●短気な性格(2)

●反省癖がある訳ではないが、いい気になっている自分を醜く思う時がある。得意になっている姿がいやだなぁ、と。ただ、短気になって殴りつけたような時は、まずない。暴力沙汰を自慢することはないが、心底では誇らしげだ。これはなんという「私の現象」だろう。

「短気」の語源的な解釈はできないが、キレる状態とは、血管が切れることを意味していると理解すれば、
一種の呼吸困難状態を脱するためのもがきであろうか。水中に閉じこめられているような状態に追いやられる。このままでは「自分の何か」が潰れてしまう。プライドかもしれないし、自分の主張が届かない空間ことへのあせりであろうか。
水中のような異空間でも、一定の時間は誰でも耐えられる。だが、息を吸うことが出来ないほどの状態になった時が呼吸困難の直前。飛び上がるように水面に浮かぼうとする。ありったけの力を振り絞って。この瞬発の力の行使が「暴力」であろうか。その点、殴られた方はとんでもないことだろうが、殴った側は興奮しつつも反省したり、謝ったりはしない。

レトリックとしての「水中」をさらに述べようとすれば、<息を吸っていない空間と時間>といってもいい。この場合の息とは、外部である。息苦しい状態とは、外部性を受け付けられない状態を権力を持った者が押さえつけるようにして「権力の行使」でしか突破できないという観念しか生まれない状態を指す。