●携帯サイト嬢に恫喝される

●某日、携帯に電話あり。
「私、○○○なんですけど、△月△日、○時○分に電話なさいましたね」
「はぁ?」女の声だが、聞き慣れない。どっか、取引先の人かなと逡巡する。
「当方は、貴方が電話した時点で会員の申込を受けたというシステムになっていまして…」とまくしたてる。
「はぁ? 私が貴方のところに電話したの?それで?」
「電話をかけた時点で入会したのですから、入会を取り消す場合には、所定のお金を払っていただきます」(お金のことになると困る。今、ピーピーしているのだ)。
「電話かけたの。私が」と聞き返す。
「記録が残っています」という。
大体、事情が飲み込めてきた。昨日だったか、携帯に「通信あり」とサインがあった。履歴を見ると知り合いではないらしい。今までもなんどか発信先が不明の履歴があったが、留守電に入っている訳ではないのでほったらかしにしていた。が、その時は、「もしかして取引先かな?」と思って送信したことを思い出した。送信したら、テープに吹き込まれたような無機質な女性の声。「あっ、エロサイトだな」と思ってすぐ消した。一斉に携帯番号にかけまくっているのだろうと。それでもうそのことは忘れてしまっていた。
●女はぐどくどと同じことをくり返す。
「私の電話したことを文書で寄越せ」と言ったら、「なんで、貴方にそういうことを言われる筋合いはない」と言い返して来た。その調子が女性にしては居丈高なので少し、こっちも粗っぽい語調になる。
「貴方がそんな風に言っても、録音していますよ」と言う。こいつはプロの詐欺だと思い始める。
携帯を一方的に切る。「対策」を考えたいからだ。
電話が立て続けに。
「どうして、一方的に切るんですか」と女。
「打ち合わせ中だ」といって、また切ると、二度ほど鳴る。
電源を切る。