●中学時代の同級生と

●中学を出てから何十年か経つ。一度もクラス会や同窓会に出たことがない。風の噂に同級生同士で結婚したやつもいたが、中学校からは遠ざかっていた。二週間ほど前に小学校の転校生組であったKから突然の電話。

北海道からMが出てくること、マドンナであったK嬢に会ったことなどを肴に会わないかという誘いであった。K嬢とは何年か前に会っているし、今は年賀状を出し合う関係だから懐かしいという気は起きないが、ただ、Mのことをとっさに思い出せない。が「行くよ」と返事した。

新宿のある居酒屋には早めに行った。誰も来ていない・「エッ、幻の電話だったのかな」と一瞬。約束の時間より少し遅れて5人がやって来た。すぐさま、私の顔を見て
「タカオカ?だよね」と訊ねられる。認めてくれたようだ。

もう、会社を退職したやつもいる。関連会社で働いているのもいた。ボランティア一筋のやつもいた。20歳の時、穂高で遭難して半身不随のN君を昔も今も見舞っている。明日も彼がいる施設に訊ねるという約束をしたのもいた。それぞれの人生。

不良だったN君は死んだそうだ。病気ではない。自殺だそうだ。また、学校一のワルだったYは殺されたそうだ。中学の時からどこかの組員のような怖さがあった。その顔を思い出す。