●;通俗用語辞典(7)…戦略的

●;「人」がいとも簡単に「戦略・戦術」というコトバを口走るのが不思議でしょうがなかった。会議の席上などでだ。「戦略・戦術」共に「軍事用語」なのにである。まして大学を出たばかりの若い女性が「ワタシの戦略としては…な」などと入ったばかりの会社の中での「ポジション取り」の企みに過ぎないものを「戦略としてぇ」みたいに言うのを横で聴いた時には「軍事史のヒトコマも見ていないくせに「ようそんなコトバを使うなぁ」呆れたものだ。それほど「戦略・戦術」というコトバが人口に膾炙されていることの「証」かもしれぬが、その使われ方の「大衆化」には反発さえ感ずる。
●;私の「戦略」というコトバの理解は「○○企画」の「企画」である。そして、戦術とは「その企画」を遂行するにあたっての「実行過程」そのものを指す。「事業企画」「商品企画」「販売企画」「営業企画」「販促企画」「宣伝企画」など全ての「企画」を称して私は「戦略」と呼ぶ。確かにちょっと前に岡崎久彦戦略的思考とは何か』(中公新書・83年)などをタイトルに惹かれて買ってしまい「戦略的思考」というコトバの魔術に引っ掛かったことを告白するけれども「戦略的な思考の持ち主」などと回りから言われる「人」を見ると格別に「頭のいい」人々だけが「占有する」ものだと思ってしまったのだけど、そうでは決してなく「企画(性)があるかないか」の違いだと思っている。「企画」を考えられない「人」というのは、五万といる。「企画」を考えられない「人」とは「思い描く能力」に欠けている「人」だ。「思い描く能力」とは相手に対してであり所属する「空間」をどうにかしょうかとする「思い」がない「人々」である。「思い」とは対象に対する関係性を新しく「構築」しようとする意思であり、「描く」とはその関係性の新しい構築によって生まれる「シーン」を想像する「力」である…と定義している。