●徹夜で原稿を書く

●あるネットワーク組織の責任者に祭り上げられてしまった。誰も引き受け手がいないまま、時間だけが経過した。「それ見たことか」と言い出す先験的なやつらの言説が跋扈し出す。やだねぇ、と言ってばかりはいられない。オールドファッションの前任者が私にお鉢を回して来た。「しようがねえか」と引受けた。

「おめでとうございます」という奴もいた。勘違いしている。責任者が偉いと思っている。とんでもない話だ。偉くもなんともない。「責任が重い」と一般的な答えをしたかったのではない。「偉い」と受け取る感覚が旧いのだ。けして、不愉快な人ではないが、こういった古くさい組織感とは明確に私は違う。

組織が強くなるのは、組織自体が他者性を獲得しているかどうかだ。他者を受入れている組織が開かれているように見えるし、現実にそうなっているのは、そういった異質の外部を引きうけることによって、その組織を構成している旧い要素が皮がむけるようにはがれていくからだ。新しい皮質が風通しをよくしている。ただ、既成組織感の持ち主たちは、壊れるのを恐がっている。なまじの既得権益を確保したい欲望があるからだ。